【入門編】検索してはいけないメタル?ブラックメタルの魅力
こんにちは。Dr.メタルです。
今日はブラックメタルと呼ばれるジャンルについて書きます。
はじめに
はじめ書いておくと、ブラックメタルはヘヴィメタルのジャンルの中でもかなり特殊な部類に入ると思います。
過激な音楽性やステージパフォーマンスのみならず、かなり衝撃的な歴史があり、それこそ「検索してはいけない」ワードの一つに数えられてしまうようなこのジャンルは、聴いたことある人は少ないかもしれませんが、いざ目にすると怖いもの見たさで聴いてみる人もいるかもしれません。
ブラックメタルで画像検索するとなんとも衝撃的なもので溢れております(本記事では、そのような衝撃的な写真や映像は載せておりません)。
では、メタル初心者向けと謳っているこのサイトがなぜこのジャンルは取り上げるかというと、音楽自体は非常にかっこよかったり、荘厳であったり、そして、音楽を通して表現される溢れんばかりの感情にも大変な魅力があるからです。
個人的にも大好きなバンドがいくつもある非常に不思議な魅力に溢れる音楽ジャンルなのです。

ブラックメタルとは?
ブラックメタルとは、音楽性とその背景にある思想によってカテゴライズされるヘヴィメタルの一ジャンルです。
音楽的な特徴としては、ノイジーなギターサウンドやブラストビートを多用するテンポの速いドラムなどといった特徴を持つ邪悪で過激な音楽を演奏するバンドが多いですが、実は荘厳な雰囲気を纏う音楽やメロディックな要素を取り入れる音楽、鬱々しく寒々しい音楽などを演奏するバンドもいます。
つまり、音楽性の幅は結構広いのですが、もう一つの特徴があるためブラックメタルというジャンルが確立しているわけです。
ブラックメタルの思想
ブラックメタルのもう一つの特徴とは、背景の思想になります。
一般的には、サタニズムと呼ばれるアンチキリスト教の宗教的思想が背景あると言われています。
もちろんブラックメタルに在籍する全てのバンドマンがサタニストであるわけではありません。
しかし、実際に多くのバンドマンがそのような思想を公言したりもしています。
今でこそ、そのような思想の自由が謳われる時代ですが、1990年代のノルウェーのブラックメタルメタルシーン(この時代のバンドたちはブラックメタルの興隆における「第二世代」と呼ばています)では、アンチキリスト教的な思想や活動こそがブラックメタルのシーンのためであるとの考えのもと、それゆえに多くの事件が起こっていました。
有名なところでいうと、教会の放火や殺人事件になります。
教会を放火して、その灰になった残骸の写真をアルバムジャケットに使用したバンドもいました(他にもっとやばいものをアルバムジャケットにしたバンドもあります…)。
色々なアンチキリスト教的な事件が起こる中、上記の思想の中心であったノルウェーのブラックメタルバンドMAYHEMのEuronymous(g)が、同バンドのセッションメンバーでもあり、他のブラックメタルバンドのメンバーであったVarg Vikernesに殺害されたことで、当時のブラックメタルシーンが一時崩壊したのと同時に数々の事件が明るみになり、さらにメディアが大々的に取り上げたことが、ブラックメタルの知名度向上につながりました。
この辺りの事件の詳細はかなりセンセーショナルなものなので、詳しく知りたい方はネット記事と併せて、下記の書籍を参照してください。
この書籍はブラックメタルの歴史と宗教的思想(上記の殺人を犯したVarg Vikernesのインタビューなども含めて)をかなり詳しく書かれていて、若干の難しい内容もありますが、全体的に非常に興味深い内容になっています。
音楽に興味が湧かなかった人にもおすすめできるような一冊です。
ファッションが過激?
ブラックメタルバンドの多くが過激なステージパフォーマンスを好みます。
その中でも、特に有名なのが「コープスペイント」と呼ばれる白塗りの化粧ですが、これはヨーロッパの土葬文化における死者の化粧なのだそうです。
見た目は言ってしまえばパンダメイクのようなものですが、これがステージ上でおどろおどろしい雰囲気を醸し出しているのです。

【入門編】ブラックメタルの音楽とは?
ここからはブラックメタルのうち、その特徴を有しながら初心者でも比較的聴きやすいと思う音楽を挙げていきます。
先ほど、音楽性の幅は広いと書きましたが、まずは「メロディックブラックメタル」や「シンフォニックブラックメタル」と呼ばれる音楽がとっつきやすいと思います。
★EMPEROR – I Am the Black Wizards
ブラックメタルでまず聴くバンドとしておすすめなバンドがノルウェーの大御所EMPEROR。その中でもまずはこの曲がおすすめ。
邪悪な攻撃性を持って疾走するイントロ〜歌メロの流れだけでもう最強!の名曲です。後半に疾走パートがなくなるのはやや残念ですが、後半の荘厳な雰囲気もまたこのバンドの特徴です。
★EMPEROR – The Loss And Curse Of Reverence
劇的かつスリリングな展開で、まさにEMPERORの世界観を味わえます。
★EMPEROR – Ye Entranceperium
EMPERORを代表する曲で、もう1曲おすすめなナンバーがこちら。
ドラマティックでスリリングなイントロ、激しく疾走する中に流れるメロディが美しく、シンフォニックブラックメタルを代表する一曲。
個人的にEMPERORの中で最もお気に入りの曲。
★DARK FUNERAL – The Arrival Of Satan’s Empire
ロード・アーリマン率いるスウェーデンのブラックメタルバンド。
ブラックメタルの邪悪な攻撃性や勢いをストレートに表現する疾走曲。
★DARK FUNERAL –
北欧の寒々しくも美しい情景が痛々しいほどに伝わってくる疾走ナンバー。
★SIGH –
日本が誇るブラックメタルバンド。
派手なシンフォニックアレンジを加えて、全曲速い曲を揃えた名盤「Hangman’s Hymn」より1曲。
気に入った方は、本アルバムを全曲通して聴いてみることをおすすめします。アルバムの各曲に散りばめられたメロデーがラストに繋がり、壮大なフィナーレを迎える大傑作です。
最後に
本日はブラックメタルについて書きました。
どうしても邪悪でネガティブなイメージが付き纏うジャンルですが、音楽自体は不思議な魅力に溢れているジャンルだと思っております。
ぜひ一度聴いてみてブラックメタルの魅力を感じていただけたらと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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